【読書感想】妖怪の子預かります⑦

読書の時間

烏天狗の双子ちゃんによるドキドキ奉行所職場体験!

(読んだ本)妖怪の子預かります⑦(作:廣嶋玲子/絵:Minoru/東京創元社)

それから、嵐の気配

7巻での出来事

▶ドキドキ奉行所職場体験

 月夜公の右腕・烏天狗の双子の息子「右京」と「左京」は父の烏天狗に連れられて父の職場である奉行所にやってきます。いずれは奉行所で働くことになるからと、月夜公の許可を受けて、月夜公の甥の「津弓」と3人で奉行所見学をすることに。

 夫婦喧嘩中の雌鳥をなだめたり、本の整理を手伝ったり、武器を見せてもらったり。武芸大会を見学したり、休日にはカニの脱皮を手伝ったり。

 それでも楽しいことばかりではなく、囚われていた妖怪がいなくなっている事が判明。大捜索が始まります。

感想

▶草白玉美味しそう

 右京と左京は津弓を紹介されますが、その場にいたのは弥助君。4人で庭を散歩してるとよもぎを発見。草餅あらため草白玉を作ります。可愛い子供たちによるスイーツクッキングタイム。

>>白玉美味しそうですし、たくさん作ってしまい、食べきらなくなったぶんは叔父や父親や養兄に持って帰る子供たちが可愛いし微笑ま良いです。縁側で白玉食べる大人たちも可愛いじゃないですか。

▶右京左京兄弟と津弓による職場体験記、微笑ましすぎる

>>嫁さんが激怒で奉行所に逃げてきた浮気した雄鶏と奉行所に怒りながら旦那を探しに来たが雌鶏。雄鶏を引き渡さない奉行所に対して、その場にいた津弓を連れて行ってしまいます。そんなめんどりの悋気に対して「嫉妬をするのは相手が好きだからだよ!」と言える津弓はなかなか大物なのではないかと思っています。この一件の右京左京の感想が「夫婦喧嘩は犬も食わない」なの、さすがの父親も「??」の様子でした。

▶書庫整理を頑張る

 書庫で本の整理をする右京・左京・津弓の3人。言われたとおりに仕事をこなしていきます。そんな中、ページが無い本を見つけます。もしかして?と心当たりを当たりますが、ハズレ。夜書庫を見張っていても訪れたのは月夜公。結局ページの欠けた本は汚損で修繕中の本で、最初に担当の者に聞いておけばこんなことにはらならかったんだよ、と怒られてしまうのでした。

>>報連相って、大事だね!

 疑ってごめんなさいということで疑われたネズミ達には詫び白玉が献上されたそうです。

▶武芸大会を見に行く

 津弓がすねてしまったため機嫌を取りたい月夜公。お祭りのようなイベントが良いとのアイデアを受けて武芸大会を行うことになりました。

>>最後の演目、牛鬼を捉える実技でご褒美が実質「月夜公主催の宴(女子も来るよ!)」でやる気になる若い烏天狗達の若さ(必死さ)が大変良かったです。

 双子の父の烏天狗は審判を仰せつかっていたのですが、「父上は出ないの?」とか奥さんから「あなたが出場したら優勝してしまいますものね」と言われてしまい、自分も出ようかな?と思う家族思いの父が見れて大変良かったです。

▶罪人が1人いないことに気付く

 双子が最後に訪れたのは氷の牢獄。鉄壁に思われたこの牢獄から罪人が1人いなくなっていることが発覚し、一斉捜索が始まります。連れ出したのは2人いる門番のうちの1人で、ここ数日休んでいるようで、家にも戻っておらず消息はつかめない。逃げこんだと思われる隠れ家にももうおらず、罪人の正体をしる月夜公は「津弓が危ない!」と、津弓が泊まりに行っている弥助君の家に向かうのでした。

 一方弥助君サイドの長屋。ここには現在弥助君と千弥さん、津弓、右京と左京(帰るように言われたので長屋に来た)と玉雪の6人がいました。そこに罪人がやってきて、津弓を奪おうと危害を加えようとしますが、玉雪ちゃんが庇って津弓自身には怪我はなかったものの玉雪ちゃんは大怪我を負います。間に割って入る千弥の姿を見て「お前は白嵐か」と問います。千弥(白嵐)自身には相手に見覚えは無かったが、相手は知っている様子。千弥さんの攻撃をよけて、月夜公も到着したことで罪人は逃げてしまいます。

 罪人の正体は月夜公の一族の者で、元婚約者のような存在の女性。月夜公のことが狂信的に好きで、行動も狂人的。ただ月夜公は彼女に無関心(月夜公は双子の姉と友達にしか興味がないタイプの男)。彼女はそれでも月夜公の両親に妻になるのは私だと直談判しに行ったり、受け入れられなかったからと両親を✕してしまったり、読者もドン引きの女性です。白嵐にも私怨があるらしく、女性は狙うターゲットを津弓から弥助に変えたことを宣言し、女性は消えるのでした。

>>新な敵的な存在の登場!名前は紅珠。今回は宣戦布告だけして去っていきましたが、彼女が大きな嵐を起こしていきそうです。

 ガチ戦闘モードの千弥さんがもっと見たい気もしていますが、そんなことにならない事が一番いいようにも思います。

▶乳母、薬膳鍋を作る!

 本編は大変な事になっていますが、番外編が1編。つわりがひどい初音ちゃんのために、初音ちゃんの乳母の「萩乃」は薬膳鍋を作ることにします。(主にお供の青蛙さんが)危険な目に遭いながら材料を集め、薬膳鍋を作りました。

 完成した鍋を持って久蔵・初音夫婦の家に向かうと、家では夫婦がおかゆを食べていました。それを見て、そこに入ってくのは野暮だろうからと家に入らずそのまま帰った萩乃さんと青蛙。2人は作った薬膳鍋を分けて持ち帰り、各家で食べるのでした、というほのぼの話。

>>青蛙が危険な目に会うたび「子どもが巣立つまでは死ねない!」「お前がいなくなった後のことは任せろ!」の掛け合いが、ほのぼのでした。

 この萩野さん、烏天狗の飛黒の妻で右京と左京のお母さん。家に返ってくる夫と子供たちを迎え「話したいことがたくさんあります」というシーンが、良い!!です!!

ちびっこ妖怪たちによる楽しい職場体験から始まり、新な敵の登場と、色々盛りだくさんの7巻でした!彼らの穏やかな日常がまた訪れますようにと願うばかりです。

今回はここまで。

では、また次の本で。

 

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