【読書感想】妖怪の子預かります③

読書の時間

春夏秋冬、季節が巡る4つの物語

(読んだ本)妖怪の子預かります③(作:廣嶋玲子/絵:Minoru/東京創元社)

作中時間がさらっと1年進んでしまった…?

3巻での出来事

▶桜の森に花まどう

 前回子ども妖怪を助け出した弥助は妖怪たちからのお礼にお花見に誘われます。養い親の千弥とともに花見会場に向かう2人でしたが、その2人を見かけて後を追う久蔵。向かった先は桜のきれいな土地で、どしたものかと困っていると、1人の少女と出会うのでした…。

▶真夏の夜に子妖集う

 前回の1件でなかなか外に出してもらえない津弓。叔父の月夜公に「弥助に会いたい」とお願いします。甥っ子の願いを叶えるために長屋へ飛び、弥助を確保して屋敷に戻ります。ただ月夜公の移動手段は人間には厳しかった。屋敷についた弥助は伸びてしまっていた。弥助にせっかく会えたのに遊ぶことが出来ない津弓でしたが、弥助の懐から梅の子妖怪の「梅吉」が飛び出してきます。お互いが気に食わない津弓と梅吉。2人は弥助に喜んでもらおうと宝物を探しに宝物庫へ向かいます。

▶紅葉の下に風邪解かれ

 秋になり、栗拾いを楽しみにしていた弥助だったが、どうも今年は栗が不作の様子。落ち込む弥助をみかねて兎の妖怪「玉雪」が自分の栗林に案内してくれます。栗拾いを堪能し「あの栗林はどうしたの?」と聞くた弥助に、玉雪はこの栗林を譲られた折の話をしてくれるのでした。

▶冬の空に月は欠け

  王妖族の若君「雪耶」は数十年に一度ある「黄泉の年」の封印の神事の舞手に選ばれた。舞は2人1組で行われるが、もう1人の舞手候補が役を断ってしまったようだ。お偉方に説得を頼まれた雪耶は訪れた山で1人暮らす「白嵐」という妖怪に出会う。舞手になるよう説得するため雪耶は白嵐に「美しい雪像を作った方が勝ち、負けた方は買った方の言うことを聞くこと」という条件で勝負を挑みます。

感想

▶春:始まる恋の予感

 人間と妖怪の恋の始まりの話。

 前回千弥さんにこっぴどい絞られ方をした華蛇族「初音ちゃん」でしたが、今回素敵な出会いを果たします。この後の久蔵さんと初音ちゃんの2人の恋の行方が気になって仕方ないんだ!!2人の未来に幸あれ!!

▶夏:夏はやっぱりそうめんだよねぇ!!それから、悪ガキコンビ誕生!?

 お互い「いけ好かねえ」と思っていた津弓と梅吉でしたが、今回の1件でとても仲良くなりました。お友達が増えて良かったね。あと、なんだかそうめんが食べたくなりました。

▶秋:玉雪と栗林と少年の話

 悲しい少年のお話。母の愛は少年を幸せにしなかったけど、母親にもそうする以外考えられない状況だったので同情の余地ありかな。少年が風になって自由に色んな場所に行けたら良いなと思いましたし、玉雪ちゃんの報告たちが風に乗って少年に届くと良いなと思いました。

▶冬:大切な友達のためについた、たった1つの嘘の話。因縁のある2人に関する過去話、オタクが好きなヤツ〜〜〜〜〜

 後の月夜公と千弥さんの過去話。多くは語るまい、良かった。願わくばこの2人がまた以前のように友達に戻れると良いね、って思いました。あの、大変、刺さった、お話でした。

今回短編集ということで4編のお話がそれぞれ良かったです。

春の話と冬の話に出てきた妖猫ちゃんが可愛い&いい仕事してくれます。推せる。

 季節は巡り、次の巻では子預かり屋を始めて1年ほど経つのでしょうか?その後の弥助くんたちの物語を追うために、早速次の巻を読みたいという気持ちでいっぱいです。早く次が読みたくてたまらないよ!

今回はここまで。

では、また次の本で。

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