「しごとってなぁに?」「はたらくって、どんなこと?」
読んだ本:おしごとそうだんセンター(著:ヨシタケシンスケ/集英社)
仕事ってなんでしょうか。働くってなんでしょうか。少しだけ答えが分かる作品です。
こんな話
宇宙船がおっこちて、訳あって仕事を探しに「おしごとそうだんそうだんセンター」にやって来た宇宙人。宇宙人は受付のお姉さんに聞きます。『あの、「しごと」ってなんですか?』
お姉さんは『空飛ぶ果物屋さん』や『あみもの屋』などの「めずらしいおしごと」や「仕事の選び方」「やりたい仕事ができなかったら」「どんな仕事がいいのか」といった色んな仕事についての話をしてくれます。
感想
ヨシタケシンスケさんのかわいらしいイラストに惹かれて読み始めましたが、読んでいて「仕事とはなんなのか」「働くとはなんなのか」を改めて考えました。
次々あらわれる「めずらしいしごと」のイラストたちが本当にいい!かわいい!こんな仕事があったら楽しそうだな~って思いながら読めます。
「だれかの人生のぞき見屋」(P95)や「長い棚書店」(P109)、「未解決事件紹介所」(P111)は面白そうですね。「インスピレーション屋」(P101)や「ヒント屋」(P113)さんなんかはぜひ利用したいですね、切実に。
読みながら、自分ならどんな仕事をするかな?どんな仕事をしたら楽しいかな?と大人の自分でもちょっと空想してしまいました。
パラパラめくるだけでも充分楽しいし、文を読むと、なかなかに深いことが書いてあります。仕事は価値観に直結するものだと思います。だから、自分にとって楽しいことを仕事にするのはとても良いことなのではないでしょうか。
『ふだんから自分が「いいな」って思ったものをノートに書いたり写真にとったりして、コレクションしておくといいわよ』(P23)って書いてあって、これは実践しようと思いました。「いいな」をたくさん貯めていくのは、なんだかとても楽しそうです。
『たのしくおしごとできるかどうかは、けっきょく「いっしょにおしごとするひとがどんな人か」だったりするのよね。』(P60)と言われて、ウンウンと頷きます。このセリフのあとに続く言葉にも本当に同意しかなかったし、合わない人はどうしたってしょうがないよね、ってちょっと思いました。
お仕事ってなんだろう?と考えた時に、読んでみると良い本だと思います。働いている大人の方も、働くってなんだろう?ってふと考えてしまったら、読んでみると働き始めた初心に戻れるような気がします。仕事することに行き詰まりを感じる人も、読んでみたら今の考え以外の考えが浮かぶかもしれません。働くことの答えは1つじゃなさそうです。
「だから、まだこの世にないあたらしいおしごとを、あなたがつくっちゃってもいいのよ。」(P80)
▶今はまだない仕事を新しく作ってしまうのも、なんだかすごく楽しそうですね。
「おしごとをすることで、自分をしあわせにすることができれば、」「自分の大事な人も、幸せにすることができる。」(P81)
「大切なひとのためにも、まず自分を一番大事にする」(中略)「自分にやさしくできないと、ほかの人にもやさしくできないのよ」(P82)
▶今やってる仕事は果たして自分を幸せにしているのだろうか?自分を大切にできているのだろうか?と考え、思考の深みにはまっていきました。自分の幸せの延長に自分の大事な人の幸せがあるなら、それは幸せなことですね。まぁ、私にはそんな存在が今はいないんですけれども、、、
ちょっと自分のことでいっぱいいっぱいなので、周りの人にも気を配れるくらいに、他の人にも優しくなれるくらいに、自分にも優しくしてあげたいと思います。自分ばっかりでもなく、他人ばっかりでもなく、バランスを大事に注意したいです。
この本を読んでいて、こんなに仕事について深く考えてしまうとは思いませんでした。かわいいイラストたちを楽しむのも良いですし、自分にとって仕事ってなんだろうという深みにはまるのもまた良いと思います。
また、この本は仕事をしている人の背中を押してくれる本でもあります。仕事に悩んでいる方にも読んでもらいたいです。「どんなおしごとも、同じくらい大事だし、同じくらいかっこいいのよ?」(P115)とお姉さんも言ってくれます。この世界は色んな人の仕事でできています。いつも頑張っているあなたはかっこいいし素晴らしい!!
『みなさん 今日もおしごと おつかれさまでした!』(P118-119)
今回はここまで。
では、また次の本で。
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