【読書感想】六月のぶりぶりぎっちょう①

読書の時間

「キヨ」とは一体何者なのか?

読んだ本:六月のぶりぶりぎっちょう(著:万城目学/出版:文藝春秋)「三月の局騒ぎ」P5~

 万城目学さんの作品は「鹿男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」「偉大なる、しゅららぼん」を読んだことがあります。この「六月のぶりぶりぎっちょう」は図書館の準新刊のところに置いてあり、万城目作品!読みたい!と思って借りました。

 この本には「三月の局騒ぎ」「六月のぶりぶりぎっちょう」の2編が収録されています。今回はそのうちの1つ「六月のぶりぶりぎっちょう」の感想を書きます。

こんな話

 『エッセイストを志したきっかけは何だったのですか?』

 主人公(賢木若菜)が大学入学を機にやってきた京都。主人公の住んでいる「北白川女子寮マンション」には回生不明のキヨという上級生がいるらしい。そんなキヨと同室になった、3月の出来事。

  キヨに「どうして、書くことをやめたの」(P51)と問われる主人公。主人公と、友達と、寮で飼っている猫しか聞いていなかった「過去主人公が友達のホームページで文章を書いていたけどやめてしまった」という話のことを聞いてきます。(怖くないですか!?)

 キヨは主人公に「もう一度、書きなよ」(P53)と言います。後々、主人公はブログを立ち上げ、数年の後エッセイストになります。

 主人公は言います。『まぁ、そんなことがあってもいいんじゃないかな。京都だし』(P63)と。

▶感想書いたら、ネタバレになる!って感じなので詳しくは書きません。読みながら「キヨは何者なのか?」を考えていくと楽しいのではないでしょうか。分かる人が読んだら、きっと物語の端々の単語で気付かれるのではないかと思います。私は主人公の結論を聞くまで気付きませんでしたけどね。

 主人公が絶賛していたキヨの日記、私も読んでみたいなと思いました。

感想

 主人公が振り返る2001年~2003年代頃当時の、例えばネット通信が有線のISDNやADSLだった話とか、ガラケーのストラップをジャラジャラ付けてる友達の話とか、その時代を生きた人なら「そんなことあったあった!」「懐かしい!」といいた文化が文の色んなところに出てきます。

 当時星の数ほどにあった、今は失われたものも多い自作ホームーページの話があります。当時は作品を公開しようと思ってもPixivやインスタみたいなプラットホームがなく、個人でHPを作って公開していました。お絵かき掲示板とか、ケータイ小説の投稿サイトもあったのですが、上手い人は個人でサイトを持ってそこで公開していたという個人的な記憶があります。

 そんな話を読んで、私も過去ブログをやっていたので「あの頃のブログはまだあるのか?」と探してみたい気持ちになりました。でも、怖いような恥ずかしいような気がして(確定黒歴史)、検索画面にブログ名を入れられませんでした。あれはあの当時の思い出のまま、そっとしておくほうがお互い幸せだと思います。読んでいて、当時のことを懐かしく思うことが出来ました。

 不思議なことが起こることもあるよね!だって、京都だから!!

 今回は次回は表題作「六月のぶりぶりぎっちょう」の感想を書きたいと思います。

「ぶりぶりぎっちょう」って何なんでしょうね?

今日はここまで。

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