読んだ本:さみしい夜にはペンを持て(著:古賀史健)
図書館で見つけて、本の1文目の
「ぼくは、ぼくのままぼくを、好きになりたかった。」
という文に惹かれて本を読み始めました。
読み始めた感想として、「頭と心で言葉がグルグルするタイプの人」にぜひ読んでほしいです。気持ちが少し楽になりますし、たくさんの「分かる!」を見つけられると思います。また日記の入門書のようなものかなと思っています。
まずは主人公タコジロー君がヤドカリのおじさんと出会った1日目(1~2章)までの感想です。
タコジロー君とヤドカリのおじさんの会話形式で話が進みますが、会話の内容で良い!って思ったとこ書き出してみました。
文章の良いところは、消しゴムがあること
・文章は消しゴムで何度でも書き直せるけど、おしゃべりにはそれがない。そのため「口が滑る」ということが起きる。1度言った言葉は取り消せない。文章は納得いくまで書き直せるのがいいね。
・話し言葉は話す順番も関係なく、言葉が多すぎたり少なすぎたりするけど、逆に勢いがあって面白いことがある。ただし文章に書き起こすと大変読みにくい。文章にするためには話を整理して考えながら書く必要がある。
・書くことは考えること。考えることは、答えを出すこと。
▶言ってしまったあとに「言い過ぎた」「喋りすぎた」「言わなくていいこと言った」と思うことがよくあります。しゃべり言葉と書き言葉の違いについても考えました。私はしゃべり言葉よりも書き言葉のほうがじっくり考えることが出来て好きかなと思いました。
言葉の暴力はコスパがいい?
①効き目を知っている
・「こう言えばこう効く」というのを知っている
・「この言葉を使えば一発で黙らせられる」というのを知っている
・自分が傷付いたのと同じ言葉で他人を傷つける
②面倒くさいから
・本当は自分の思いを丁寧に説明して相手に納得してもらうところを、面倒くさがる
・理論的な説明も、反論されるのも、自分の気持ちを言葉にするのも面倒くさい
・面倒くさくなった時、一発逆転の手段として「言葉の暴力」を使う
・言葉の暴力に訴えて、相手を屈服させようとする
◯暴力も怒鳴って相手を黙らせるのも、言葉にして説明する時間と手間が省けて「コスパがいい」ので、自分が不利になった時にごまかしがきく。ただし、言う側・言われる側のどちらにもなる可能性がある。
▶大きな声で怒鳴って話を終わらせようとしたりたり、自分の話を優位に進めたりしようとしたり、意見を通そうとする人はいますね。そんな人は対話を「面倒くさがっている」だけかもしれません。
今度そんな人と出会ったら、「この人は話すのが面倒くさいんだな」って思って、そっとその場を離れようと思いました。
日記に書くことは?
・日記は「その日に何があったのか」ではなく「その日に何を思ったのか・何を考えたのか」を書くもの。昨日と同じ日なんて1日もない。
・自分のことが知りたいから、日記を書く
▶この辺りの話を読んでいて、自分ならどう書くんだろうか?とか何を書くんだろうか?とか考えていたら、無性に日記が書きたくなりました。レッツ日記、私は私を知りたいのです。
日記を書くことは、自分の謎を解くこと
・日記を書くのは自分というダンジョンを冒険すること。ダンジョンを進めば少しずつ謎が解けていく。自分が何者か分かってくる。
・秘密の日記を片手に毎晩自分のダンジョンを冒険してみるのは面白い。自分の謎が解けていくし、きっと自分が好きになれる。
▶自分の謎が解けるって言われると、なんだかワクワクしませんか!?私はとてもワクワクしました。自分の謎、解いてみたくなりました。謎なんてあるか分かりませんけれど。
その他にも
・「思う」と「言う」のには距離があり、ポンポン言葉が出るのも、言葉が渋滞するのも個性という話
・問題を解決出来るわけではないけど、人に話すだけでもスッキリするよねって話
・大人のさみしさ、子どものさみしさの話、皆といると自分でいられなくなる感覚の話
などなど、面白い話が色々聞けるので、興味がありましたらぜひ読んでみてほしいです。何か気付けることがあるかもしれません。
因みに1番自分の中で考えてしまったのが、
「周りからストップをかけられる前に自分でブレーキを踏んでしまい、自分で選択肢を狭め、自分から自由を奪っていく。変なことを言えない、書けないと言葉を選んでいるうちに、結果考えるこを奪ってゆく。」
という話でした。少し身に覚えがありましたので。
まだまだ読み始めたばかりなので、これからタコジロー君やヤドカリのおじさんやこの物語がどうなるか分かりませんが、楽しく読んでいけたらいいなと思います。
今日はここまで。
この本、全部のページにイラストが入っていてとっても可愛いです。パラパラめくるだけでも楽しめると思いますよ!
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