初恋は甘い顔をしてはくれない
(読んだ本)妖怪の子預かります②(作:廣嶋玲子/絵:Minoru/東京創元社)
前巻のあとがきで弥助君は「次巻で危ない目にあうよ!」と予告されていたとはいえ、まさかこんなことになるとは、、、!
2巻での出来事
巷では、子どもの妖怪が行方不明になっているらしい。
▶弥助、吉原へ行く!
三味線にされてしまった母親に会いたいと望む子猫の妖怪の願いを叶えるため、いざ、吉原へ!
▶弥助、人助けする!
行方不明の妖怪の子どもを探しに浅草寺に向かう弥助。そこで「うそあぶら」に憑かれた少女と出会う。「うそあぶら」を取り除くことに成功して、喜んだあの子の笑顔が忘れられないんだ!
▶弥助、捕まる!
少女とまた会おうと約束したのに、その少女は来なかった。落ち込む弥助。折り悪く訪れた友達の津弓に冷たくあたってしまう。すねて帰ってしまった津弓だったが、そのあと家にも帰っていないという。そんな中で弥助は襲撃を受け、逃げた襲撃者を追ううちに一軒家にたどり着く。そこにはいなくなった津弓や少女「おあきちゃん」がいた!
生気のないおあきちゃんを操るのは「人形師」、子ども妖怪を拐かしたのも人形師のようだ。全てを知ってしまった弥助の運命やいかに!
感想
▶三味線と子猫妖怪と女郎さんと
三味線になった母親に会いに行った吉原で出会った女郎の紅月さん。三味線の持ち主で、猫の母親という話を信じてくれて、結局子猫妖怪を引き取ることになります。皆が幸せになれたお話です。
私は猫又も猫の妖怪も大好きです(好きな妖怪発表ドラゴン)
▶弥助くんの初恋
人が恋に落ちる瞬間は何度読んでも良いものです。
▶塩対応の養い親
恋がしたいわ!という妖怪の娘を千弥さんがこっぴどく振るイベントがあります。相手が…悪かったよね…。
▶津弓の危うさ
生まれから特殊な生態をしているらしい津弓の危うさを知ります。今回はその危うさに助けられたのですが…。
▶人形師がびっくりするくらい「悪」
悪気のない、自分がやってることを善行とすら思っているタイプの悪人が「精巧な黄泉人形を作る」という自分の能力を活かしてとんでもないことやっていたのですが…??人形に人の魂を結ぶ糸を生成する妖怪と悪のwin-winの関係を築いていて「これは…吐き気を催すほどの邪悪…!」って思いました。
▶おあきちゃんかわいそう
運悪く人形師が人形を依頼人に引き渡す所を見てしまい、一度は見逃してもらえたものの2度目はなかった。最後は無事に魂が開放されてよくないけど良かったなと思いました。
▶処理係の骸蛾
人形師の相棒。子ども妖怪を拐って、そこから作る糸で人形師の手助けをしていた。登場シーンは普通にSAN値チェック案件でしたありがとうございます。人形を引き渡すにあたり、元の人間ってどうしたと思う!って話がめっちゃ怖かったです。(SAN値チェック案件)
まぁ、人形師も骸蛾も、モンペ妖怪2人の手によって手痛く処されてしまうんですけどね!お前ら、目的が一致すると仲いいな!!
本来黄泉人形は人の心の穴を埋めるために作られる物と語られていますが、本来の目的以外の使われ方をしていました。しかし、この騒動が終わって、受け入れられない者・受け入れる者それぞれでした。人間の理を外れたことはしちゃいけないんですよね…。
出会いと別れの2巻でしたが、弥助はいい出会いをしたんだと思います。今回は悲しい別れになってしまいましたが、これからも弥助にはいい出会いがたくさんあってほしいと思いました。
さて、今巻で大人組いいな!心強いな!って思いました。
(以下個人的な感想)
・千弥…昔は強強妖怪、今は弥助の強火モンペ
・久蔵…遊び人だけど、面倒見のいいあんちゃん
・月夜公…泣く子も黙る妖怪御奉行、甥っ子に甘々叔父さん
子妖怪たちを見守る大人たちの今後の活躍にも期待です!!
今回はここまで。
では、また次の本で。
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