猫の相談役、誕生
(読んだ本)猫町ふしぎ事件簿-猫神さまはお怒りです-(作:廣嶋玲子/絵:森のきりこ/童心社)
猫神さまとの出会い編
こんな話
主人公、遠矢少年の最近の楽しみは、町のオンボロ屋敷を眺めること。そこには立派な猫じゃらしと、猫じゃらしに集まる猫たちを見に来るのが楽しみでした。
ある日猫じゃらしと猫を眺めていると幼馴染と遭遇し、その幼馴染に弱いところのある遠矢君は幼馴染に命令されるまま猫じゃらしを取って来るのでした。以前知り合いのおばあちゃん言われた「猫じゃらしは猫のもの。猫のものをとってはいけないよ」という言葉が気にかかりながら…。
その夜、猫じゃらしの1件が気になりなかなか寝付けなかった遠矢君。突然窓が開き、窓の先には大きな目玉。それから大きな猫の手が窓から入って来たかと思えば、その手に掴まれてどこかへ連れて行かれてしまいます。
目を覚ますとそこは知らない家。それから無数の猫・猫・猫!たくさんの猫に囲まれていました。夢かとも思いましたが、太ももをつねってみてもが変化はありません。
そんな遠矢君の前に現れた、美しい大きな猫。その名は「猫神 おまざりさま」どうやら猫神さまに呼び出されたようでした。
話を聞くと、その日遠矢君が持っていってしまった猫じゃらしは猫神さまに献上される予定の大事な物だったらしい。それを持っていってしまった遠矢君に対して大変お怒りでした。
猫神さまは遠矢に「3つの贈り物を持ってくること」という条件を出します。そうすれば許してくれるようす。それから逃げられないように呪いを1つ。
果たして遠矢君は猫神さまの出した条件を達成して呪いを解いてもらえるのか、それから遠矢君は猫神さまにどんな贈り物をするのでしょうか!?
感想
「猫になる」という地味にすごい呪いかけてくる猫神さま!猫においたを働く者に厳しいです。猫を守り、猫に仇なす者に罰をくだす猫神さまはやっぱり神様なんだなと思いました。
贈り物の条件が良い。『猫の世界では、自分の力で手にいれたものだけが、価値があるんだ』お金で買ったものを贈るなんて無礼だよ、と先輩猫から教えられます。先輩猫たちの手をかりながら、遠矢君(猫)は時には池に落ち、時には人助けをしながら猫神さまへの贈り物を得て行きます。1つ1つの贈り物にちゃんと喜んでくれる猫神さまは可愛いです。
最後の贈り物では大事件に巻き込まれたものの、無事猫神さまに贈り物を贈ることができました。その結果猫神さまに気に入られて、猫の相談役になる遠矢君のお話でした。最後の一言『引き受けた』がかっこよかったです。頑張れ、猫の相談役!
猫になって夜の町を歩くシーンがあるのですが、猫の視点で見る世界は人間の見ているものとはまた違うんだろうなとか、軽快に飛び跳ねて進む猫の俊敏性良いなぁとか、猫と話せたら楽しいだろうなあと思いながら読みました。
間接的なこのお話の原因である幼馴染、行動がちょっと強引で「むむ??」と思うところもありますが、ちゃんとそのあたりのお話もしてくれるので、怒らずに物語を読み進めてください。なんとも可愛らしい感情じゃありませんか。
『猫の世界では、自分の力で手にいれたものだけが、価値があるんだ』という台詞。比較的何でもお金で簡単に手に入れられてしまう人間の世界でも、やっぱり努力や頑張りといった自分の力で手に入れたものは、また特別、特別な価値があるように思います。
猫神さまと出会い、猫の相談役になった遠矢君。これからどんな猫からの相談が持ち込まれて、巻き込まれて行くんでしょうね!
因みにおばあちゃんこと「菊子おばあちゃん」の登場する2巻の感想はこちら▶▶▶【読書感想】猫町ふしぎ事件簿~猫神さまは月夜におどります~
ああ、猫神さまの不思議な力で猫になりたい!!
今回はここまで。
では、また次の本で。
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