お屋敷で暮らす、家族のような人たちの話
(読んだ本)ぼくらは星を見つけた(著:戸森しるこ/講談社)
この家族には、秘密がある
こんな本
お屋敷の住み込み家庭教師として採用された主人公「岬くん」。お屋敷の主人「そらさん」と息子の「星くん」と、ハウスキーパーの「シドさん」の4人で家族のように暮らすことになりました。
ただこの仕事、家庭教師をすることが本来の目的ではないようで。
家族のような人たちが、家族になる話。
『家族がほしかったんだ。疑似でもいいと思ってる』
感想
思ったよりしんどい話でした。主人公の優しさに救われた家族がここにいます。
主人公はシルクハットを常にかぶる個性的な性格の男性なのですが、そのシルクハットをかぶるという行為にすら理由がちゃんとあって、理由を知った時にブワッとくるものがありました。
主人公は児童養護施設出身なのですが、園長さんを「おやじ」と慕い、園長さんもいい人オーラが出ています。良い関係だなと思いました。
各々の秘密の件もサラッと少年の口から語られて「ヒエッ」ってなりました。まさか主人公も・・・?と思ったのですが、そこは大丈夫だったので安心しました。家族の秘密の内容はぜひ本作を読んでご確認ください。
登場人物同士のやりとりで時々「ん?」ってなる感じもあり、お互いの秘密を知りながらそれをないものとして家族してる姿に何か引っかかるものもありましたが、作中でゆっくり良い方向に変わっていったのが大変良かったです。また、どこか欠けた2人が引き合うように仲を深めていく姿を、最後まできゅんきゅんしながら読みました。めっちゃ良かったです。
家族のような人たちが、これからきっと家族になっていくんだろうなと思うと心温かくなりました。
今回はここまで。
では、また次の本で。
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